こんにちは、もちょです。
この記事では「北海道コンサドーレ札幌VS.鹿島アントラーズ(J1第21節)」の試合結果をコンサドーレ目線で分析していこうと思います。
サッカー観戦の初心者さんでもわかりやすいように図も交えて、コンサドーレがどんなサッカーをしているか、何が良くて何が悪かったのか、得点、失点の要因などをご紹介していきます。
コンサドーレの試合をより深く楽しむためのお手伝いが出来たらと思います。
初めに
皆さんはサッカーを観戦する際に、どんなことを楽しみに観戦するでしょうか?
自分の応援するチームの勝利や自分の好きな選手の活躍はもちろん、スタジアムの雰囲気が好きでサッカーはそこまでだけどホームスタジアムには足を運ぶ、という方も多いと思います。
しかし、近年はチームとしての戦略や戦術をしっかり用意して試合に臨むチーム、監督が増えてきています。
そんなチームとしての戦略や、実際に選手たちが行っている戦術を少し知っておくだけで、試合内容をより楽しめると思います。
さらに、それが自分の応援しているチームのことだと、ワクワクしませんか?
そこでサッカー視聴歴11年の僕が、自分の地元チームでもある「北海道コンサドーレ札幌」のJリーグの試合結果を毎節、分析していこうと思います。
コンサドーレの戦略と戦術を知っていれば、試合観戦の際により深く、楽しく応援することが出来ると思います。
前回(第19節)の記事はこちら。
この記事でコンサドーレサポーターはもちろん、Jリーグサポーターの方々もサッカーをより楽しむためのお手伝いが出来れば嬉しいです。
初心者さんに向けて
※サッカーにある程度精通してるよ!という方は飛ばしてください。
10節の記事でサッカー視聴、観戦の初心者さん向けに、ここから出てくるサッカー用語をザックリと説明していますので、参考にしてください。
戦略と戦術について
これから、戦略と戦術という側面から話を進めていくにあたって、意味の整理と僕なりに戦略と戦術の意味をサッカーに置き換えたものを10節の記事で紹介しています。
こういう考えで語っているよ、ということが分かると思いますので、こちらも参考にしてみて下さい。
VS.鹿島アントラーズ
スターティングメンバー
【2022明治安田生命J1リーグ 第21節】
🔥STARTING Ⅺ🔥🆚#鹿島アントラーズ
📅7月10日
⏰14:00 KICK OFF
🏟札幌ドーム
#consadole #コンサドーレ #spogram #試合も働きごこちも全力応援トランスコスモスコンサドーレ観るなら @DAZN_JPN
で📺
加入は→ https://t.co/kefhabflsC pic.twitter.com/8yLoJeQ22y— 北海道コンサドーレ札幌公式 (@consaofficial) July 10, 2022
久しぶりの宮澤キャプテン先発ですね!
安定感をもたらしてくれることでしょう。
今試合の戦略
攻撃
攻撃の戦略を読む前に、開幕節の記事で詳しく説明しているコンサドーレの基本的なビルドアップの形を確認していただくと、わかりやすいかと思います。
皆さんも知っての通り、コンサドーレはポゼッションを高め、相手に攻撃の機会を与えないことで守備の時間を少なくする“攻撃は最大の防御”を基本的な考え方としていますよね。
前節は記事を書きませんでしたが、FC東京のプレスに対してまた以前の4-1-4-1のような形でビルドアップするシーンが多くて、ボールをスムーズに運べていませんでした。
また戻ったのかー?と思っていたら、今節はしっかりと2-3-1-4の形でビルドアップできていました。
実際に前回対戦時と比べてみても、自陣でボールを奪われてカウンターというシーンが少なかったと思います。
鹿島の2トップが前回とは違ったというのも少なからずあったと思いますが、前線からプレスをかけてくるというスタイル自体は変わりません。
それでも、前回対戦時に感じたコンサドーレのビルドアップでの窮屈さが今節は明らかにありませんでしたよね。
ここで1つ、戦略とは関係ありませんが気づいてしまいました…
「2-3-1-4の細かいことはよく分からんけどその形でビルドアップすればスムーズにボールを運べること自体は分かった。でも、試合を観ていて今その形なのかどうかが分かんないから結局なんとなく観るしかない!」
っていう方の為に分かりやすい目印があることに。
すごーく今さらなんですけどね(笑)
気づいている方はもうとっくに気づいていることだと思いますが、今までの4-1-4-1だと2ボランチの内1枚がDFラインまで下りてビルドアップしていましたが、2-3-1-4だとそのまま中盤に残りますね。
ガンバ戦の記事で福森選手がCBの一角に入ってるからとか、田中選手が少し内側に入っているからとか色々と言っていましたが、こんなに分かりやすい目印があったとは。
ミシャ式の一番の特徴と言っても良かったボランチが下りて4枚を作るという形をやっていないということなので、以前からコンサドーレを観ている方ほど分かりやすいと思います。
守備
次に、守備面での戦略です。
コンサドーレは基本的にマンツーマン守備をします。
今節はこんな感じでしたね。
状況に応じて、臨機応変にマーク相手を変えますが、基本的には図のようなマークだったと思います。
今節は鹿島がロングボールで裏を狙ってくるということを見越して、いつもより少し低めのライン設定にしていましたね。
前線の2人が相手CBに強烈にプレスをかけに行くというよりは、少し待ち構えてロングボールを蹴らせることで回収するという戦略を取っていました。
そこで活躍したのが岡村選手ですね。
ロングボール、特にハイボールの対応はほぼ完璧と言って良かったんじゃないでしょうか。
実際にハイボールでのピンチはほとんどありませんでしたよね。
※ここから先はくどくなるので、~選手の“選手”を省略します。
試合中の戦術
ここでは「サッカーを集約すると、この4つの局面で構成されている」とよく言われる“サッカーの4局面”にフォーカスしてお話していこうと思います。
選手たちや監督が今節、この4局面においてどのような戦術を実行し、勝ちに近づけたかをそれが分かるシーンと共にご紹介したいと思います。
ボールを保持しての攻撃
・1人剥がすシーンが多い
今節はホームでコンデションが良かったのか、鹿島の素早い寄せを逆手に取って剥がすというシーンが多くありましたね。
特に青木と高嶺はほとんどのシーンでまず1人剥がしてからパスを選択していました。
高嶺のターンはいつ見ても気持ち良いですね。
・立ち位置の決まり事
ビルドアップの形を変えて、ポゼッションサッカーのレベルが1つ上がった感のあるコンサドーレ。
ポゼッションをするにあたって、上から観ていても分からなくなるくらい選手がポジションチェンジを繰り返していることはコンサドーレサポーターの皆さんならもうお分かりだと思います。
そんな中でも、ボールを運ぶために必要な立ち位置にいなければ中々スムーズにはゴール前を目指せません。
しかし、コンサドーレの選手たちはポジションチェンジしながらもしっかりと立ち位置を取ってボールを前進させていますよね。
実際に、最近の試合はシュート数がかなり多くなったと思いませんか?
これは、ボールをゴール前までスムーズに運べている証拠と言えます。
それでは、なぜ選手たちがあんなにスピーディーな試合の最中でポジションチェンジを繰り返しながらも必要な立ち位置を取れているのかということを予想になりますが、お伝えしようと思います。
おそらくコンサドーレの選手たちの立ち位置には決まり事があります。
ポジションの決まり事ではなく、立ち位置の決まり事です。
今節にそれを顕著に表すシーンがあったのでご紹介します。
19分に宮澤が右サイドの大外でボールを受けて、その宮澤から興梠へ当て、ワンタッチで金子が裏を取るというチャンスシーンがありました。
このシーンではポジション上だと宮澤が内側、金子が外側を取っていそうですが逆になっていました。
どちらが先に立ち位置を取ったのかは分かりませんが、仮に金子が内側を取ったのが先だとしたらそれを見て宮澤が大外に立つ選手がいなくなったと判断して上がって行ったということになります。
これに伴って、本来宮澤がいなければいけない立ち位置には荒野が下りています。
このように、この状況ならここに立っていなければならないという“立ち位置の決まり事”があるんだと思います。
もし、“立ち位置の決まり事”が無ければ金子が内側を取っていても大外を取る選手がいない、宮澤が上がって行ってもボールホルダーをフォローできる位置に選手がいない、荒野が下りて行っても後ろに選手が渋滞するなど、いずれにしてもどこかでボールの前進が止まってしまっていたと思います。
・ここまで使いこなしているとは!
コンサドーレが2-3-1-4を使うようになって少し経ちましたが、徐々に選手たちのポジショニングや考え方が整理されてきた感がありますね。
以前、4-4-2でハメられた時に2-3-1-4なら中盤の3枚のいずれかがフリーで受けられるので大丈夫という話をしましたが、2トップでハイプレスをかけられるとどうしてもGKまで戻してロングボールで逃げる展開も多くなってしまいます。
ガンバ戦なんかは田中がハイボールで競り勝つというやり方で回避する場合もありましたが、どうしても足元で繋ぐより精度が落ちてしまいます。
しかし、今節は相手の2トップに対して駒井が下りることで3枚を作りプレスを躱していました。
それに伴って、前節までは少し外側に立ち位置を取りがちだった田中もしっかりと中盤まで絞ってボール回していました。
相手を見ながら自分たちで臨機応変に立ち位置を変えて戦術的優位を取れるようなところまで使いこなしてきているのが伺えますね!
ボール非保持での守備
・ほとんど何もさせず
ロングボールを蹴るしかないような状況に追い込めていたので鹿島にほとんどチャンスを作らせませんでしたね。
戦略がハマったということです。
あと、岡村のハイボールに対しての対応が上手すぎた。
後半開始直後には岡村にやられっぱなしでイライラしていたのか、9番がボールではなく岡村をふっ飛ばしてイエローもらってましたね。
ボールを奪った瞬間
・中々カウンターは出来ず
鹿島の切り替えが早く、中々カウンターを発動できないコンサドーレでしたが、逆にファウルを上手くもらってポゼッションしていましたね。
・やっぱり金子
45分、相手CKを菅野さんがキャッチしてそのまま金子の単騎カウンターが炸裂しました。
スピードに乗って仕掛ける金子に対してイエローで止めるしかないというシーンでした。
代表選ばれて欲しいなぁ…
ボールを失った瞬間
・すぐさま2トップへ
鹿島は奪った瞬間もすぐさま2トップを狙ってロングボールを蹴ってきました。
特に裏へのボールは要注意で何回かビックチャンスを作られていましたね。
・2-3-1-4効果
前回(19節)の記事でも書きましたが、2-3-1-4のビルドアップによる利点は奪われた瞬間にもあります。
今節では19分にカウンターを食らいそうな中、田中と青木で止めたというシーンがありました。
これも、2-3-1-4で田中が内側に立ち位置を取っていることでフィルターとして機能したシーンですね。
私見
もちょ的、今試合のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)
ここで、もちょの独断と偏見で選んだ今試合のMOMを発表したいと思います!
今試合のMOMは…
岡村 大八選手です!
今節は鹿島のロングボールをことごとく弾いた岡村選手です!
正直、今季のJ1初出場試合で色々とやらかしたので、あんまり良い選手じゃないのかなという印象でした。
しかし、よくよく見ると守備に関して達人の技の数々を披露してくれていますね。
1対1に強いというよりは、ヘディングする直前に体をぶつけたり、落下地点から逆算して相手をブロックして飛ばせなかったりと、しっかりと頭を使った守備を出来る選手だなと思いました。
最近は先発が多いので、守備に関してはホントに良い選手だなーと思って観ています。
すごい!
その他にも良い選手が
今節では、駒井選手ですね。
毎試合駒井選手を褒めている気がしますが、褒めたくなるようなプレーを見せてくれているのでしょうがないですね(笑)
久しぶりにボランチでの先発となった駒井選手ですが、相変わらず秀逸な立ち位置と運動量でチームを助けていました。
走行距離も一位でしたしね。
ちょっとばかし直してほしい選手
今節は荒野選手ですね。
2-3-1-4の1に入った荒野選手ですが、駒井選手や青木選手のようにタイミング良く下りて来る動きがあまりできていませんでしたね。
さらに、裏抜けを何度か狙っていましたが効果的な動きにはなりませんでした。
普段の駒井選手が良すぎるだけに比べるのもどうかとは思いますが、少し物足りなさを感じてしまいました。
まあ、選手のタイプも違いますし。
まとめ
以上、北海道コンサドーレ札幌 J1リーグ第21節 鹿島アントラーズ戦を分析してみた!でした。
この記事のまとめとしては…
〇戦略
- 2-3-1-4の目印
- 少し引き気味で構える
- 岡村大活躍!
〇戦術
●ボール保持
- 1人剥がすシーンが多い
- 立ち位置の決まり事
- ここまで使いこなしているとは!
●ボール非保持
- ほとんど何もさせず
●奪った瞬間
- 中々カウンターは出来ず
- やっぱり金子
●失った瞬間
- すぐさま2トップへ
- 2-3-1-4効果
〇MOM
- 守備職人岡村
〇その他の良かった選手
- 相変わらずの駒井
〇直してほしい選手
- 荒野さん
ということでした。
最近のコンサドーレがシュートのシーンまで行くことが多くなったのは、おそらく2-3-1-4でのビルドアップ効果だと思いますが、それにしても得点が入らないですね。
あとは得点するだけなのに!っていう試合が多くなりそうな予感がしますね、今節のような。
個人的には興梠さんや金子が大爆発してくれることに期待しています。
この記事で、より一層コンサドーレの応援、Jリーグの視聴を楽しんでもらえたら幸いです。
では、また!
🔴GAME STATS⚫
🏆2022明治安田生命J1リーグ#北海道コンサドーレ札幌 0-0 #鹿島アントラーズ#consadole #コンサドーレ pic.twitter.com/x1KYGfuvV7
— 北海道コンサドーレ札幌公式 (@consaofficial) July 10, 2022
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