【北海道コンサドーレ札幌】試合結果を分析!試合内容では圧倒したが…【J1リーグ第19節(VS.京都サンガF.C.)】

こんにちは、もちょです。

この記事では「北海道コンサドーレ札幌VS.京都サンガF.C.(J1第19節)」の試合結果をコンサドーレ目線で分析していこうと思います。

サッカー観戦の初心者さんでもわかりやすいように図も交えて、コンサドーレがどんなサッカーをしているか、何が良くて何が悪かったのか、得点、失点の要因などをご紹介していきます。

コンサドーレの試合をより深く楽しむためのお手伝いが出来たらと思います。

 

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初めに

皆さんはサッカーを観戦する際に、どんなことを楽しみに観戦するでしょうか?

自分の応援するチームの勝利や自分の好きな選手の活躍はもちろん、スタジアムの雰囲気が好きでサッカーはそこまでだけどホームスタジアムには足を運ぶ、という方も多いと思います。

しかし、近年はチームとしての戦略や戦術をしっかり用意して試合に臨むチーム、監督が増えてきています。

そんなチームとしての戦略や、実際に選手たちが行っている戦術を少し知っておくだけで、試合内容をより楽しめると思います。

さらに、それが自分の応援しているチームのことだと、ワクワクしませんか?

そこでサッカー視聴歴11年の僕が、自分の地元チームでもある「北海道コンサドーレ札幌」のJリーグの試合結果を毎節、分析していこうと思います。

コンサドーレの戦略と戦術を知っていれば、試合観戦の際により深く、楽しく応援することが出来ると思います。

前回(第17節)の記事はこちら。

この記事でコンサドーレサポーターはもちろん、Jリーグサポーターの方々もサッカーをより楽しむためのお手伝いが出来れば嬉しいです。

 

初心者さんに向けて

※サッカーにある程度精通してるよ!という方は飛ばしてください。

10節の記事でサッカー視聴、観戦の初心者さん向けに、ここから出てくるサッカー用語をザックリと説明していますので、参考にしてください。

 

戦略と戦術について

これから、戦略と戦術という側面から話を進めていくにあたって、意味の整理と僕なりに戦略と戦術の意味をサッカーに置き換えたものを10節の記事で紹介しています。

こういう考えで語っているよ、ということが分かると思いますので、こちらも参考にしてみて下さい。

 

VS.京都サンガF.C.

スターティングメンバー

今節は高嶺選手が復帰です!

活躍を期待したいですね。

 

今試合の戦略

攻撃

攻撃の戦略を読む前に、開幕節の記事で詳しく説明しているコンサドーレの基本的なビルドアップの形を確認していただくと、わかりやすいかと思います。

皆さんも知っての通り、コンサドーレはポゼッションを高め、相手に攻撃の機会を与えないことで守備の時間を少なくする“攻撃は最大の防御”を基本的な考え方としていますよね。

今節は、前節見せてくれた素晴らしいビルドアップを継続していましたね!

これは嬉しいですねー

前節だけでは狙ってやっていたのか、たまたまその形になったのかが分かりませんでした。

しかし、ハーフタイムで出る選手たちの平均ポジションというデータを見てみると…

キレイに2-3-1-4の形に並んでいました!

ということで、狙ってやっていることが確定したんじゃないでしょうか。

実際に早い時間に1人少ない状況になってしまいましたが、試合内容では圧倒していましたし。

怪我明けの高嶺選手が序盤は戸惑っていたように見えましたが、時間が経つにつれて馴染んでいましたね。

 

守備

次に、守備面での戦略です。

コンサドーレは基本的にマンツーマン守備をします。

今節はこんな感じでしたね。

状況に応じて、臨機応変にマーク相手を変えますが、基本的には図のようなマークだったと思います。

今節はピーター選手に岡村選手をぶつける前回対戦時と同じような対策を行いましたが、さすが熟練のピーター選手でしたね。

前回対戦時のように岡村選手に寄せられると難しくなるという教訓をしっかりと活かして、サイドに流れたり下りて行ったりと様々な動きで岡村選手から離れながら、フィニッシュの局面ではゴール前に顔を出していました。

※ここから先はくどくなるので、~選手の“選手”を省略します。

 

試合中の戦術

ここでは「サッカーを集約すると、この4つの局面で構成されている」とよく言われる“サッカーの4局面”にフォーカスしてお話していこうと思います。

サッカーの4局面とは

  • ボールを保持しての攻撃
  • ボールを失った瞬間
  • ボール非保持での守備
  • ボールを奪った瞬間

の4つの局面のこと

選手たちや監督が今節、この4局面においてどのような戦術を実行し、勝ちに近づけたかをそれが分かるシーンと共にご紹介したいと思います。

 

ボールを保持しての攻撃

・スムーズにボールを運べる

今節も前節同様2-3-1-4の形でビルドアップを行っていたことから、スムーズにボールを運ぶシーンがありました。

5分のシーンでは福森からの縦パスで高嶺が前を向けたことと、駒井が良いタイミングでスペースに下りてきたことで上手く田中が持ち運ぶ展開となりました。

図では少し分かりづらいですが、このシーンも2-3-1-4でビルドアップを行い上手くいっています。

(岡村、福森で2、田中、荒野、高嶺で3、駒井が1、残りで4です。)

今までの4-1-4-1の形だと、福森がもっとサイドに張って荒野か高嶺がCBの位置まで下りてきているような場面だと思います。

仮に荒野が下りてこのような形になったとします。

福森のところでハメられるということが分かりますね。

10番が高嶺、27番が菅へのパスコースを切れる状況になり、選択肢が後ろの荒野しかなくなります。

そのパスコースを切りながら7番が寄せてきたら簡単にボールが取られそうですよね?

ここで一つ前の図に戻って見比べていただくと、福森が少し中に入り荒野が7番の斜め後ろに立つだけで福森がパスを出す選択肢が高嶺と荒野の2つになって相手の寄せに迷いを生み出せます。

実際に10番が荒野か高嶺か、27番も菅か高嶺か迷ったところに縦パスが入り、高嶺が前を向けました。

この次に重要になってくるのが駒井の動きです。

高嶺が前を向いた時にすかさず空いたスペースに下りてくることで、高嶺の選択肢を2つにすることと田中についていた50番を引き付けつけるという2つの仕事を一瞬でこなしました。

この動きによって田中の前が空きました。

さらに付け加えると、このシーンを通しで見ていた方は荒野がたまたまボールを拾ったところから始まっているんだから、荒野が少し前に出ていたのは偶然なんじゃないの?と思うかもしれません。

その場合、今までの形だと高嶺がCBまで下がっていると思うので、そもそもこのシーンからチャンスになっていない可能性が高いと思います。

かなり長く解説してしまいましたね。

要するに2-3-1-4のビルドアップというのは選手の動きや立ち位置によりますが、ボールを持っている選手に常に選択肢を2つ与えてくれる形というわけです。

なんだかよく分からない!って方も、すごい気がしてきませんか?(笑)

これを継続していけば、かなり勝ち点稼げるんじゃないかなと個人的には思っております。

・退場後は厳しい

15分に菅野さんが一発レッドをもらってしまいましたね。

そこからは、1人少ない状況であまりボールを繋げませんでした。

カウンターでしかチャンスが出来ませんでしたね。

前半までは…

・後半開始から青木投入で反撃!

ハーフタイムで興梠に代えて青木を投入したコンサドーレ。

これで反撃開始となりましたね。

前半は1人少なくなった影響でシャビエルを下げることになり、駒井がその位置を任されました。

駒井なので問題無くやれてはいましたが、2-3-1-4の1と4の中央を同時にこなさなければいけなくなりました。

これによって、11人で戦っていた時は駒井が下がってボールを受けることは問題ありませんでしたが、1人少ない状況だと前線に人が足りなくなって相手がプレスをかけやすくなってしまっていました。

そこで、青木を投入することで下りて行ってプレーできる選手を増やし、逆にアンカーの荒野が少し高い位置を取るようになる等、かなり激しく全体でポジションチェンジを行っていました。

特に徹底されていたのは、押し込んだ際にしっかりと相手の4バックに対してコンサドーレが5人で立ち位置を取ることです。

分かりやすい例として52分のシーンをご紹介しようと思います。

菅のクロスから駒井があと少しで合わせられなかった惜しいシーンでした。

このシーンでは図のように、相手の4バックに対してキレイに5枚並んでいるので27番が帰って菅を見るしかなくなりました。

そこで、寄せが一歩遅れたところからクロスを上げられましたね。

前半では駒井が下りて来ても空いたスペースに誰も入って行かなかったので、相手に上手く守られているような状況が続いていました。

しかし、後半からは駒井が下りると金子が内側に入り、田中が大外を埋める。

逆サイドでは青木が下りると荒野、駒井、金子がそこを埋めるというように、臨機応変にポジションチェンジして相手に対して有効な立ち位置を取れるように細かく修正されていましたね。

これによって、後半からは1人少ないコンサドーレの方が上手くボールを回せていました。

 

ボール非保持での守備

・早々に失点!

前半のまだ9分と早い時間帯に先制点を決められてしまいました。

あれはクロスの精度とピーターを褒めるしかありませんね。

・1人少なくなってからの前半は耐える展開

15分に1人少なくなってからは、5-2-2のような形で少し引き気味に守っていました。

どうにか1失点でハーフタイムに入りたいという感じでしたね。

・後半からは積極的に前へ

後半開始からコンサドーレは前線からプレスをかけに行くようになりました。

青木と駒井がCBを、金子と菅がSBをしっかり前に出てつかまえていましたね。

それに連動して中盤の荒野と高嶺が相手の中盤3枚の内2枚をつかまえます。

残った中盤の1枚は3バックの1枚が前に出てつかまえに行っていました。

これを臨機応変に行い、前線から上手く追い込んでボールを獲れていました。

リスクを冒して前に出るかつ、かなり運動量を必要とする守備を選んだことで結果的に上手く試合をコンサドーレペースで進められたことは、成長につながると思います。

 

ボールを奪った瞬間

・前半は興梠のポスト頼み

1人少なくなってしまったことで、ほとんどボールを握られる展開となりました。

そんな中で、奪った瞬間の攻撃も繋がらないことがほとんどでした。

それでも、興梠がなんとか収めてくれることで起点が出来たシーンもありました。

・駒井の素晴らしいテクニック

62分に駒井が素晴らしいテクニックを披露して抜け出すシーンがありました。

惜しくもラストパスが弱くなってしまいましたが、このシーンはぜひ見ていただきたいです。

 

ボールを失った瞬間

・相変わらずの切り替え

切り替えの速さと激しさはやはりさすがでしたね。

特に後半からは気合が入っていたように見えました。

・2-3-1-4効果

さんざん2-3-1-4でビルドアップすることの攻撃面でのすごさを解説してきましたが、実は奪われた瞬間の守備でもすごさを発揮するんです。

よく考えてみたら、2-3-1-4をやり始めた前節から失点が少なくなったと思いませんか?

というか、ピンチ自体も減っていますよね。

これは攻撃時と違って単純な話なんです。

まず一つ目の要因は、シンプルにパスが引っ掛かりづらくなっているということです。

常にボールを持っている選手が選択肢を2つ持った状態で相手を迷わせることが出来ていたら、当然ですが相手が前向きでボールを奪う機会が減るわけです。

さらに、スムーズにボールを運べるようになったので、シュートで終わることがほとんどになりました。

つまりカウンターを食らわないんですね。

前節のスタッツを見てみると、圧倒的に攻めていた気がするのに意外とポゼッション率が52%しかありませんでした。

何故かというと、シュートで終わっているからですね。

シュートで終わるとCKを取った時以外は一時的に相手ボールになりますから。

次に2つ目の要因です。

2つ目は、奪われた瞬間にフィルターとして相手を止められる選手が後ろに残っている状態でボール回しを出来ていることです。

どういうこと?となった方の為に押し込んだ状況からカウンターを食らった時に今までの形と現在の形だとどう違うのかを図を使って説明しようと思います。

〇今までの4-1-4-1

〇現在の2-3-1-4

なんとなく今までの形がスカスカだったのは伝わったでしょうか?(笑)

後ろの枚数は同じですが、中央に寄っているのとサイドに張っているのでは安心感が違いませんか?

さらに、場合によっては福森と田中がオーバーラップしていったりもしていましたから、かなり危なく感じますよね。

今までの形だと実際にフィルターとして機能していたのは中央の3枚だけだったというわけです。

それに比べて、現在行っている2-3-1-4の形だと田中と高嶺がフィルター役として機能するので5枚残したような状態になります。

攻撃の枚数が減っているように感じるかもしれませんが、金子や菅へのパスコースの供給、荒野経由で逆サイドへの展開など、前線に顔を出していないだけでパスを回す上でのマイナスにはなっていません。

そして、田中と高嶺の2選手がここのポジションということも重要です。

しっかり守れる選手かつポジショニングを間違えず、パスも上手い選手である必要があります。

このポジションは一見地味ですが、2-3-1-4において攻守ともに一番重要と言っても過言ではありません。

 

得点シーンについて

戦略と戦術を整理したところで、得点シーンの解説をしていこうと思います。

このゴールは菅の大砲が炸裂!…

というよりは、菅としては珍しくコースを狙ったシュートでしたね。

右足でも良いボールを蹴るようになってきましたね。

成長してますねー。

このゴールのきっかけとなったCKを取ったのは金子の仕掛けからでした。

後半から金子の仕掛けが目立っていましたね。

これも、“戦術”でお伝えしたように相手の4バックに対して5枚で攻めるということを徹底したことで、生まれたチャンスでしたね。

片一方のサイドが必ず空くということが分かっていたので、金子を積極的に使うことが出来ました。

 

失点シーンについて

今節の失点シーンは2失点ともしょうがないと言ってしまったらそれまでですが、実際にしょうがなかったですね。

どちらも、個人のクオリティでやられたって感じでした。

チームとして崩されたわけではなかったと思います。

特に、1失点のピーターのゴールはクロスとピーターの死角に入る動きが素晴らしかったですね。

でも、菅野さん1回止めてくれましたよ。

 

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私見

もちょ的、今試合のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)

ここで、もちょの独断と偏見で選んだ今試合のMOMを発表したいと思います!

今試合のMOMは…

駒井 善成選手です!

前節に引き続き駒井選手ですね。

もう、今のコンサドーレには必要不可欠なんじゃないでしょうか。

中盤の作りに参加しながら、前線まで飛び出て行ってフィニッシュのシーンに必ず顔を出しますし、守備では1人少なくなってからも相手CBにプレスをかけ続けましたね。

素晴らしい頭の良さと運動量でした!

すごい!

 

その他にも良い選手が

今節では、菅選手ですね。

素晴らしいコントロールショットでゴールを奪ってくれました。

さらに守備でもよく走ってくれていて、ゴールに入りそうなボールをクリアしたシーンが2回もありましたね。

 

ちょっとばかし直してほしい選手

今節は1人少なくなってしまったということもあり、全員が全員頑張ったと思います!

一時は同点に持っていって、あと少しで勝ち点1だったんですが…

それでも、内容的には勝っていてもおかしくなかったので悔しいですが次節に期待したいですね!

ここまで、コンサドーレをたっぷり贔屓して書いてきたので、少しだけ直してほしいプレーについて書きました。

褒めてるだけのレビューだと嘘くさくなるので、正直なレビューだよと言うことを証明するためです。

ファンの皆様怒んないでください、すいません。

 

まとめ

以上、北海道コンサドーレ札幌 J1リーグ第19節 京都サンガF.C.戦を分析してみた!でした。

この記事のまとめとしては…

〇戦略

  • 2-3-1-4継続!
  • ピーターに岡村
  • さすがのピーター

〇戦術

●ボール保持

  • スムーズにボールを運べる
  • 退場後は厳しい
  • 後半開始から青木投入で反撃!

●ボール非保持

  • 早々に失点!
  • 1人少なくなってからの前半は耐える展開に
  • 後半からは積極的に前へ

●奪った瞬間

  • 前半は興梠のポスト頼み
  • 駒井の素晴らしいテクニック

●失った瞬間

  • 相変わらずの切り替え
  • 2-3-1-4効果

〇得点シーン

  • 珍しい菅のコントロールショット!

〇MOM

  • 駒井スゲー!

〇その他の良かった選手

  • ゴールの菅選手!

〇直してほしい選手

  • ほぼ無し!

ということでした。

今回は早々に1人少なくなってしまったので、試合内容というよりは2-3-1-4のビルドアップについての解説が多くなってしまいました。

1人少なくなってしまっても、立ち位置や選手たちの動きを修正すれば後半のように押し込んでコンサドーレペースで試合を進められるのが2-3-1-4のビルドアップなので、1人でも多くの方にこのすごさを知って欲しいですね!

そして、これをコンサドーレがやっているということに感動しています。

前節から素晴らしいパスワークが多過ぎて、書ききれていません(笑)

負けてしまいましたが、このサッカーを継続していって欲しいですね!

この記事で、より一層コンサドーレの応援、Jリーグの視聴を楽しんでもらえたら幸いです。

では、また!

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