【北海道コンサドーレ札幌】富山を2-0撃破。それでも残る一抹の不安|試合レビュー【J2第33節】

こんにちは、もちょです。

今シーズンも、昨シーズン同様に北海道コンサドーレ札幌の試合をレビューしていきます!

今回レビューするのは…

北海道コンサドーレ札幌VS.「カターレ富山(J2第33節)」

J2リーグ第33節、北海道コンサドーレ札幌はアウェイでカターレ富山と対戦。

2-0で見事なクリーンシート勝利を飾りました。

ここ2試合の惨敗でチームに漂っていた重苦しい空気を吹き飛ばす、まさに快勝。何よりも、この勝利を、この勝ち点3を、今は素直に喜びたいと思います。

しかし、この日のサッカーを見て、安堵と同時に、ある種の“もどかしさ”や“不安”を感じたサポーターも少なくないのではないでしょうか。

なぜ、この日はあれほど躍動的なサッカーができたのか。

そして、この勝利は、チームの未来にとって、本当に手放しで喜べるものだったのか。

この記事では、スタッツだけでは見えてこないこの試合の本質を、戦術的な側面から紐解いていきます。

※前節の記事はこちら

※岩政監督解任についての記事はこちら

 

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試合情報とスコアの振り返り

日時・会場

2025年10月19日(日)@富山県総合運動公園陸上競技場

試合結果

北海道コンサドーレ札幌 2 – 0 カターレ富山

スタメン

スタメンのポイント

復帰!復帰!復帰!

  • 長谷川と西野が先発復帰!
  • 近藤も出停開け
  • その他はいつも通りのメンツ
  • 以前の戦い方に戻るか否か…

 

基本フォーメーション

試合の流れ

待望の復帰を果たした長谷川、西野がスタメンに名を連ねたこの一戦。

コンサドーレはキックオフから、ここ2試合の停滞が嘘のように、アグレッシブな姿勢を見せました。

試合の主導権を握ったのは、明確に「相手陣でプレーする」という意志統一でした。

序盤から前線でのプレー時間を増やしていくと、その戦い方が早くも実を結びます。

20分、相手陣内でのセカンドボールを高嶺が拾い、見事なミドルシュートを突き刺し先制に成功しました。

後半に入ってもコンサドーレのペースは落ちません。

富山にボールを保持される時間こそあったものの、決定的な仕事はさせませんでした。

すると68分、再び高嶺が圧巻の個人技からスーパーゴールを叩き込み、リードを2点に広げました。

74分に長谷川が交代してからは、前線の起点を失い少し防戦一方になる時間帯もあったものの、2点のリードを活かして時間を使いながら落ち着いた試合運びを見せ、危なげなく試合をクローズ。

2-0のクリーンシートで、トンネルを抜ける貴重な勝ち点3を手にしました。

 

※僕の戦術分析の“土台”となった本です。

 

戦術ポイント

帰ってきた“有効な”前進手段

この日、コンサドーレが見せたサッカーは、明確でした。

それは、柴田監督就任後に結果を出していた「ロングボールで相手陣に押し込み、セカンドボールを回収してショートカウンターを狙う」という、あの躍動的なスタイルへの回帰です。

GKから始まる局面でも、無理に地上で繋がず前線へ大きく蹴り込むシーンが何度も見られ、これが「プランA」であったことは間違いないでしょう。

この「プランA」は間違いなく長谷川の復帰によるものです。

  • 長谷川が生む「縦への推進力」:
    右サイドを起点とした攻撃は、まさに長谷川の独壇場。裏へのランニングでDFラインを押し下げたかと思えば、スッと中盤に降りてきてパスの起点になる。彼が常に相手DFと駆け引きを続けることで、近藤や他の選手が活きるスペースが生まれ、チーム全体が前掛かりになることができました。ロングボールへの反応やセカンドボールの回収意識などは言うまでもありませんね。

一方、地上で繋ぐ前進にも一定の成果があったと感じたサポーターも少なくないはず。

これには、西野の復帰が大きく関わってきます。

  • 西野が生む「横への広がり」:
    左サイドが起点となり、地上でもスムーズに前進することが出来ました。西野が絶妙なポジションを取ることで、青木やミンギュがスムーズにボールを受けられる状況を創出。大外のミンギュを使って相手の守備を横に広げ、生まれたスペースに青木が顔を出す。この再現性のある崩しは、見事でした。

また、フィニッシュの局面においても、「裏を取って相手DFラインを押し下げてから、マイナスの落としを狙う」という形がチームで共有されており、3、4度の決定機を作り出せていたことも大きな収穫だと思います。

 

※補足:西野のポジショニングについて

西野が出来ていて、他の選手に出来ない、絶妙なポジショニングにつてい詳しく図解します。

まず、GKからボール回しが始まる時、高尾が少し高い位置を取るので、西野は左のCBで待ちます。右寄りのビルドアップですね。

そして、ボール回しが始まったら、状況に応じて高嶺や宮澤が下りて来て4枚になります。この時の西野に注目です。

西野は、左に張らずに少し高めのポジション、具体的に言うと、ミンギュとCBの位置の選手(浦上orボランチ)を繋ぐ位置にポジションを取ります。ちょっとボランチっぽい位置ですね。

これ、他の選手の場合、めちゃくちゃ外に開きがちなんです。

開いちゃうとどうなるかというと…

  • ミンギュへのパスコース“しか”なくなる
  • 距離が遠くてパスの難易度が上がる
  • 逃げ道が無く、プレスの嵌めどころになる

という多数のデメリットがあります。

逆にメリットは、パスを受ける時は安全に受けられる、くらいです。相手からも遠いので。

このポジショニングが出来る西野だからこそ、安定したビルドアップが出来ているわけです。

ちなみに、ミシャ期に地上で繋いで上手くいっていた時は、これが出来る田中駿汰が同じくCB(左右は違いますが)に居ましたね。

 

構造的欠陥が露呈した守備

しかし、手放しで喜べないのが守備面です。

前からプレスに行こうという意志は見えましたが、その設計は相変わらず曖昧なまま。

特に、富山の右CB(13番)が開き、ボランチが下りて4枚でボールを回す局面では、コンサドーレの前線3枚が数的不利に陥り、簡単に前進を許すシーンが散見されました。

これにより、青木が相手のCBとボランチの2人を1人で見なければならない状況が頻発。(これは、前節でも起こっていたので、修正できていないということ)

そこで生まれたスペースを突かれ、シャドーの選手へのマークも曖昧になり、何度も中盤でフリーな選手を作られてしまいました。

それでも無失点に抑えられたのは、

  • 富山の攻撃が遅攻だったため、守備陣形を整える時間があった
  • 最終的に5バックで構えているため、中央の固さ(人数の多さ)でなんとか対応できていた

という2つの要因が大きいでしょう。つまり、相手によっては1、2点獲られてもおかしくなかったということです。

さらに、この守り方は選手の消耗が非常に激しいです。前から追うけど、突破されるんですから。

出づっぱりの高尾が足を攣って交代してしまった事実は、この守備が構造的な欠陥を抱えていることの何よりの証拠と言えます。

 

※僕の戦術分析の“土台”となった本です。

 

※この本の紹介記事はこちら。

 

MOM(マン・オブ・ザ・マッチ):長谷川 竜也

今日のMOMは、2ゴールを挙げた高嶺と迷いましたが、僕は長谷川を推したいと思います。

今日のコンサドーレが機能していたのは、紛れもなく長谷川のおかげ。

彼の存在が、チームの「前進する手段」そのものになっていました。

長谷川がいるから、前線にロングボールを蹴ることができる。長谷川がいるから、相手のDFラインが下がり、中盤にスペースが生まれるのです。

もちろん、西野の対人の強さと繋ぐ能力、途中出場ながら守備に絶対的な安定感をもたらした宮の存在も、この勝利に不可欠でした。

復帰組が揃って高いパフォーマンスを見せてくれたことは、何よりの収穫です。

 

得点シーン

コンサ1点目

 

コンサ2点目

 

サポーターとしての感想

2-0快勝!

ここ2試合の惨敗で、選手もサポーターも、誰もが苦しかったはずです。

その重苦しい雰囲気を、この日の勝利は吹き飛ばしてくれました。

しかし、試合を見ながら、僕の心の中には安堵と同時に、ある種の“不安”が広がっていました。

「結局、長谷川がいないと、このサッカーはできないのか」と。

選手がいてこそのサッカーなので、選手依存になるのは当然です。

しかし、特定の選手が一人いないだけで、チームの戦い方そのものが崩壊してしまうのは、あまりにも脆い。

この勝利は、喜びと同時に、チームが抱える構造的な課題を、あまりにもハッキリと私たちに見せつけてくれたように思います。

 

 

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まとめ

この日の勝利で、一つの仮説が、僕の中で確信に変わりました。

ここ2試合の惨敗は、監督が「繋ぐサッカー」に“シフトした”のではありません。

長谷川という前進手段を失ったことで、「繋ぐしかなくなった」というのが、おそらく真実です。

元々コンサドーレのベースには「繋ぐ」意識がありますが、そこから前進するための戦術的なデザインが、今のチームにはまだありません。

だから、より確実性の高い「相手陣に蹴り込む」という手段が機能しているうちは良かった。

しかし、それが機能しなくなった時、チームは立ち往生してしまったのです。

この勝利は、短期的に見れば、勝ち点を積み重ねる上で非常に大きな一勝です。

しかし、長期的な視点で見れば、「特定の選手に依存しない、チームとしての本当の強さとは何か」という、重い問いを突きつけられた一戦でもありました。

この課題に、監督とチームがどう向き合っていくのか。

これからも、見守っていきたいと思います。

試合のポイントまとめ

  • 長谷川・西野の復帰により、チームは「相手陣でプレーする」という勝ちパターンに回帰。これが快勝の最大の要因。
  • 同時に、この2人、特に長谷川がいないと攻撃が機能しないという「選手依存」の課題を浮き彫りに。
  • ここ2試合の惨敗は戦術変更ではなく、前進手段を失ったことで「繋ぐしかなくなった」結果である可能性が、より明確に。
  • クリーンシートは達成したものの、守備における「曖昧なプレス」という構造的な問題は未解決のまま。これは今後の大きな課題。

 

※前節の記事はこちら。

 

※noteではコンサドーレについて、もう少し踏み込んだ内容を執筆しています

 

(こちらのサイトでコンサドーレの全試合結果を確認いただけます)

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