【北海道コンサドーレ札幌】鳥栖戦は痛恨の敗戦…10人で見せた意地|試合レビュー【J2第17節】

こんにちは、もちょです。

今シーズンも、昨シーズン同様に北海道コンサドーレ札幌の試合をレビューしていきます!

今回レビューするのは…

北海道コンサドーレ札幌VS.「サガン鳥栖(J2第17節)」

J2第17節、北海道コンサドーレ札幌はサガン鳥栖との一戦に臨みました。

序盤から相手の巧みな戦術に苦しみ、さらに退場者を出す厳しい展開。それでも札幌は最後まで攻めの姿勢を崩さず、意地の一矢を見せます。

この記事では、試合の流れだけでなく、見逃しがちな戦術面のポイントや交代の意図まで詳しく解説。サッカー初心者でもわかりやすく楽しめる内容になっています。

「なぜこの形で崩されたのか?」「後半はどう修正したのか?」そんな疑問が解けるレビューです。試合を見た方も、見逃した方も、ぜひ最後までお楽しみください。

※第16節の記事はこちら

 

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試合情報とスコアの振り返り

日時・会場

2025年5月25日(土)@駅前不動産スタジアム

試合結果

北海道コンサドーレ札幌 1 – 2 サガン鳥栖

スタメン

17戦目のスタメンはこちら!

田中宏武の左SB継続ですね。

その他のメンバーは、もう大体固定されてきました。

 

お互いの基本フォーメーション

コンサドーレ

 

サガン鳥栖

 

試合の流れ|コンサドーレ札幌 vs 鳥栖の全体像

前半:継続する狙いと、鳥栖の的確な攻撃に後手

コンサドーレは、前節の逆転勝利で得た手応えをそのまま持ち込む形で試合に入りました。左SBには引き続き田中宏武を起用し、左サイドの可変(SBが高く上がり、SHが内側に入る形)も継続。

クロスからのフィニッシュを増やすスタイルも明確で、前半はチーム全体に自信と積極性が見られました。

しかし、サガン鳥栖も狙いははっきりしていました。

右サイドでは5番にロングボールを集めてフィジカル勝負、左サイドでは7番がコンサドーレのSBを釣り出して、その裏にシャドーが走り込むという二軸での攻撃。

さらに注目は77番。ターゲット役かと思いきや、ゼロトップ的にライン間でボールを引き出し、中盤に流れて攻撃の起点になる動きが厄介でした。

29分にはその77番が右サイドで起点を作り、クロスからCKを獲得。そこから先制点を奪われます。

39分には、鳥栖の狙い通りに右サイドのCBとSBの間(高尾と家泉の間)のスペースを突かれて追加点を奪われました。守備の連携が甘く、後手に回る形が目立ちましたね。

流れを変えようと、40分にバカヨコに代えてサンチェスを投入。

しかし、この交代はポジションチェンジもなく戦術的意図が見えづらいものでした。結果的にサンチェスは短時間で2枚目のイエローを受けて退場。前半で10人になり、苦しい展開を強いられます。

 

後半:数的不利を跳ね返す整理された守備と反撃

後半、1人少ないコンサドーレはボールを繋ぐ意識と前線からのプレスを継続。相手は数的優位にもかかわらず、なかなか前進できずにいました。

そこで70分、スパチョークが鳥栖の4番からボールを奪い、一発レッドを誘発。数的同数となります。

この退場は、前線からのプレスをただのプレッシャーではなく、「ボランチを消しにいく意図あるもの」に修正したことが大きな要因です。

前線の選手がCBにプレスに行く際に、ボランチのスライドが徹底されていました。これで縦パスを遮断し、ミスを誘発する流れをつくれていました。相手のボランチを必ず消していたんですね。

その後はコンサドーレが主導権を握ります。84分に中島と白井を投入してからは、再びクロスを中心とした攻撃へ。92分には1点を返すことに成功しましたが、同点まではあと一歩届かず。1-2で悔しい敗戦となりました。

 

※僕の戦術分析の“土台”となった本です。

 

試合を動かした戦術とキーポイント

鳥栖の的確な攻撃パターンとコンサドーレの課題

鳥栖は明確な狙いを持って攻めてきました。右サイドでは7番が高尾を引き出し、空いたスペースを16番が突く。

左では11番が落ちて5番のスペースを作り出す。どちらの形も精度が高く、コンサドーレのDFラインは対応に苦しみました。

コンサドーレの4バックに対して、5枚のアタッカー、特にWBの使い方が効果的でした。

具体的に左右のサイドで説明します。

まず右サイドでは、高尾が7番(鳥栖左WB)に釣られて家泉との間に出来てしまうスペースを狙われました。

このスペースは、大外に近藤が戻って来て高尾が埋める、または西野がそのまま下りて埋める、のどちらかになります。

しかし前者の場合、コンサドーレの攻撃手段として一番攻撃力があると言っても過言では無い、近藤の裏抜けが難しくなってしまいます。そうすると必然的に西野が戻って埋めなければなりません。

ここで問題なのが、鳥栖の27番。西野のマークですね。この27番が本来攻撃の選手である16番を追い越したり、中央でボールを散らしたりと縦横無尽にポジションを変えることで、西野のポジショニングが惑わされました。

結果的に、西野はそのスペースを埋められず、16番がフリーでBOX内に入る機会が多くあったんですね。

一度、27番を捨ててスペースを埋める守備を西野がしたシーンがあったんですが、当然27番がフリーに。そのままカットインからシュートに持ち込まれてしまいました。

次に左サイド、左サイドはよりシンプルでした。スピードとパワーのある5番にロングボールを出して、田中宏武の上と裏を突いてきました。

これだけならば、高嶺のカバーで事足りましたが、そう簡単ではありません。左サイドで厄介だったのが、鳥栖の11番。右シャドーの選手ですね。

この選手が、自陣まで下りてボールを受ける動きをします。これに5番が連動します。

コンサドーレの守備の性質上、11番の下りる動きに田中宏武はついて行って潰さなければなりません。そして、田中宏武が前に出たスペースを5番が爆速で上がってきます。この動きに合わせて、ロングボールが蹴り込まれます。

後手の対応になる高嶺は厳しい状況で守備をせざるを得ませんでした。序盤にファウルだと思って倒れたけど、ファウルではなく、そのまま持っていかれたシーンがありましたね。

一応、途中から田中宏武がそのスペースをケアするようになりましたが、その分11番が空くことが多くなり、スパチョークが戻っての守備を強いられてしましました。

このように、コンサドーレの4バックの空くところを鳥栖が5枚のアタッカーで効果的に突いてきたことで、結果的に2失点することになりました。

 

後半のプレス修正が生んだ流れ

後半、コンサドーレは前線からのプレスの整理に着手。CBへの無理なプレスを控え、まずボランチを消すという優先順位を明確にしました。

これにより、鳥栖は中央からの縦パスを入れられず、横に回すだけの展開に。

スパチョークのボール奪取が象徴するように、リスクを取ってでも整理されたプレスをかけた成果が出ました。数的不利でも相手のミスを誘える展開が作れたのは収穫でした。

 

左サイドの構造的課題と交代の影響

後半開始から大崎を投入して高嶺をSBに。大崎が入ることで、先述した通りボランチが前にスライドで出て行く守備を整理することが出来ました。

しかし、ここで問題なのが高嶺がSBとして外を取る形が続いたこと。今までも何度かこの形になることがありました。その度に言及してきましたが、高嶺の本来の良さが十分に発揮できない形なんですよね。

高嶺の個のクオリティが高いが故に、色々なポジションで起用されますが、本来はボランチの選手。大外でボールを受けて相手と対峙して輝く選手ではありません。

それでも、ある程度成立させてしまうのが高嶺ですが…(高嶺があと2人、青木があと2人欲しい…)

唯一大外で高嶺がボールを持った時にクロスの精度で違いを生み出せるんですが、ターゲットがいない時間帯は無力化していました。

65分に長谷川を投入し、大外に起点を作る工夫は見られましたが、決定機には繋がらず。中島の投入でようやく中央にターゲットができたことで、クロス攻撃が成立し始め、得点にも結びつきました。

 

※僕の戦術分析の“土台”となった本です。

 

※この本の紹介記事はこちら。

 

得点シーン

鳥栖1点目

 

鳥栖2点目

 

コンサ1点目

 

サポーターとしての感想

1-2の敗戦という結果は残念でしたが、前半での退場という苦しい状況にも関わらず、後半は積極的なプレーを見せてくれました。

数的不利の中でプレスを整理し、数的同数になってからは戦い方を変えながら反撃に出た姿勢は素晴らしかったです。

ただ、前半の守備の問題や、中央にターゲットが不在の時間帯に決めきれないなど、明確な課題も多く見えました。

後半の修正力は見事だっただけに、次節以降は最初からそのような対応ができるかがカギになるでしょう。

 

 

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まとめ

以上、コンササポのざっくり試合まとめ・感想「第17節・サガン鳥栖戦」でした。

この試合は、前半の2失点と退場という厳しい展開を受けての、後半の修正と粘り強さは今後への希望を感じさせるものでした。

試合を通して浮き彫りになった戦術面の課題と修正力、そしてチームとしての成長の兆しが見えた一戦でした。

 

試合のポイントまとめ

  • 前半の守備対応に遅れ
    鳥栖のサイド攻撃(特に右サイド)に対して後手に回り、マークの受け渡しやスペース管理に課題。
  • サンチェスの前半退場で数的不利に
    戦術的意図が見えにくい交代の直後、短時間で2枚目のイエローを受けてしまい苦しい展開に。
  • 後半はプレス戦術を整理し、流れを引き戻す
    CBを無理に追わず、ボランチを消すような守備に切り替えたことで、相手のビルドアップを遮断。
  • 数的同数になった後の展開が良質
    スパチョークの奪取から相手にレッドカードを引き出し、以降は自陣でブロックを敷く鳥栖に対して主導権を握る。
  • 中央にターゲットがいない時間帯の攻撃が非効率
    高嶺のクロスが活かされず、左サイドの攻撃が機能不全。中島の投入でようやく形になる。
  • 後半の戦術変更と意地の1点に希望
    数的不利のなかでも冷静に修正し、終盤に1点を返した流れはチームの底力を感じさせる内容だった。

 

このような展開と試合運びを踏まえると、「前半の対応の遅れと退場が勝敗を左右したが、後半の修正力と意地は高く評価できる」内容でした。

次節では、こうした反省を活かしたスタートダッシュに期待したいところです。

 

※第16節の記事はこちら。

 

(こちらのサイトでコンサドーレの全試合結果を確認いただけます)

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