【北海道コンサドーレ札幌】3-1快勝!攻守の「四本柱」で支配|試合レビュー【J2第36節】

こんにちは、もちょです。

今シーズンも、昨シーズン同様に北海道コンサドーレ札幌の試合をレビューしていきます!

今回レビューするのは…

北海道コンサドーレ札幌VS.「大分トリニータ(J2第36節)」

J2リーグ第36節、北海道コンサドーレ札幌はホームで大分トリニータと対戦。

3-1で見事な快勝を飾りました。

前節、J1昇格の可能性が完全に消滅。正直、選手のモチベーションはどうなのだろうか。球際で戦えるのか、走りきれるのか。そんな不安を抱えていたのは、きっと僕だけではないはずです。

しかし、選手たちは、そんな我々の心配を吹き飛ばすかのような、気迫に満ちたプレーを見せてくれました。

なぜ、この日は快勝できたのか。

そして、この勝利は、我々サポーターの心に、どんな“救い”をもたらしてくれたのか。

この記事では、スタッツだけでは見えてこないこの試合の本質を、戦術的な側面から紐解いていきます。

※前節の記事はこちら

※岩政監督解任についての記事はこちら

 

スポンサーリンク

 

試合情報とスコアの振り返り

日時・会場

2025年11月8日(土)@大和ハウスプレミストドーム

試合結果

北海道コンサドーレ札幌 3 – 1 大分トリニータ

スタメン

スタメンのポイント

  • 昇格消滅も、メンバーはあまり変更せず「ガチメンバー」
  • 家泉が中央CB、バカヨコがワントップ。ここに少しの不安も
  • 選手の「プロとしての矜持」が問われる一戦

 

基本フォーメーション

 

試合の流れ

前半は、完全にコンサドーレのゲームでした。

前からプレスに来ない大分の5-4-1ブロックに対し、コンサドーレがゆっくりとボールを保持。

そして、大分の守備ブロックの連動性が低く、中盤にボコボコとスペースが生まれていたため、コンサドーレは面白いように相手陣内でプレーすることができました。

その流れから、早くも9分に試合が動きます。押し込んだ展開から、荒野らしいワンツーの連続でボックス内に侵入し、冷静にゴールへ流し込み先制。

高嶺との絶妙な役割分担が光る、見事なゴールでした。

その後も、地上戦は荒野と高嶺が、空中戦はバカヨコと家泉が完全に制圧。

攻撃ではバカヨコがロングボールの起点となり、守備では家泉が相手のワントップ(11番)をことごとく跳ね返す。まさに、全ての局面でコンサドーレが上回っていました。

40分には、高い位置で高嶺がボールを奪い、そのままゴール。相手の拙い修正にも助けられ、2-0で前半を折り返します。

後半、3枚替えで修正してきた大分が少し盛り返し、54分にはスーパーゴールで1点を返されます。

危ない時間帯も続きましたが、この日の主役はこの男でした。

77分、CKのこぼれ球に反応した高嶺が、圧巻のボレーシュート。誰もが「決まる」と確信した一撃で、試合を決定づけました。

その後は危なげなく試合をクローズ。ホームで5試合ぶりの、そして昇格消滅後の、価値ある勝利を手にしました。

 

※僕の戦術分析の“土台”となった本です。

 

戦術ポイント

機能不全に陥った、大分の5-4-1ブロック

この日の快勝の最大の要因は、コンサドーレのパフォーマンスが良かったことはもちろんですが、それ以上に、大分の守備が全くと言っていいほど機能していなかったことが大きいでしょう。特に前半は。

5-4-1のブロックを敷くものの、個々の選手が連動性を欠いたまま、場当たり的な対応に終始していました。

分かりやすい現象として、前半25分まで見られた、「前プレのちぐはぐ」があります。

大分の右シャドーの38番はコンサドーレの左CBである西野まで果敢にプレッシャーをかけに行きますが、ワントップの11番をはじめ、他の選手が全く連動しません。

さらに、38番が出て行ってしまったことで、大分の2列目は右サイド(コンサドーレの左側)へスライドをしなくてはいけません。

しかし、ボールは既に逆サイドにあります。

なぜなら、本来38番が前に出ていくなら、11番が家泉にプレスをかけなくては、簡単に逆サイドまで展開されてしまいます。この連動が全く見られませんでした。

なので、大分の2列目のスライドは全く間に合わず、コンサドーレにとって最も武器となる右サイドの高尾・近藤ペアに、広大なスペースを与え続けていました

シャドーのプレスに誰も連動せず、中盤はスカスカ。サイドのスライドも間に合わない。

大分の守備は、前半の早い段階で、コンサドーレにとっての「ボーナスステージ」と化していたのです。

これにはベンチもさすがにマズいと思ったのか、25分以降は選手の配置を変更。

38番は右ボランチに。左のシャドーだった10番が右に移り、左のシャドーには元々左のボランチだった14番が。そしてそのまま右ボランチだった18番が左のボランチに変わりました。

守備時の2列目が、全体的に左にスライドしたって感じですね。

これで、「前プレのちぐはぐ」は無くなりましたが、依然として中盤のスペースは空き放題。

コンサドーレのシャドーに対して、CBが出て行くのか、ボランチがプレスバックするのか全く定まっていないようでした。

なので、ボランチを釣り出すと、そのスペースを長谷川とスパチョークが使う。あるいは荒野が上がって使う、という構図で、いとも簡単に前進できたわけです。

“地上”と“空中”の完全制圧

前述したような相手の守備に助けられたとはいえ、そこに確実に付け込むだけのクオリティを、コンサドーレの選手たちが見せたことも事実です。

この試合は、まさに「地上戦」と「空中戦」の両方をコンサドーレが支配していました。

①地上戦の支配者:荒野と高嶺

攻撃面では、この2人のボランチコンビが中盤を完全に制圧しました。荒野が前目のポジションで相手のマークを混乱させ、高嶺が後ろでバランスを取る。この絶妙なコンビネーションが、大分の中盤を切り裂きました。
そして、守備面。大分が誇るカウンターも、この日は完全に沈黙します。なぜなら、地上で運ぼうとしたボールは、ことごとく高嶺の抜群の即時奪還によって、その芽を摘み取られていたからです。

②空中戦の支配者:バカヨコと家泉

そして、この試合の行方を前半で決定づけたのが、この2人による空中戦の支配です。攻撃では、コンサドーレのロングボールを最前線のバカヨコが面白いように収め、チームに貴重な「時間」をもたらす。守備では、大分が頼みの綱とする前線へのロングボールを、最終ラインの家泉が、まるで壁のように、ことごとく跳ね返す。

「詰み」が生んだ追加点と、大分の修正

この「地上」と「空中」の完全制圧は、相手を「詰み」の状態に追い込み、直接的に2点目のゴールを生み出しました。

地上でカウンターを仕掛けようとすれば高嶺に狩られ、空中に逃げようとすれば家泉に潰される。攻め手を完全に失った大分は、徐々に「自陣で繋がざるを得ない」状況に追い込まれました。

40分、自陣でのビルドアップを試みた大分に対し、高嶺が高い位置でボールを奪取し、そのまま追加点。まさに、守備陣が作り出した必然のゴールでした。

後半、大分も修正を図ります。バカヨコへのマークを、前半競り負けていた中央CB(2番)から、左CB(3番)へ変更。これにより、バカヨコの疲労も相まって、空中戦の優位性は徐々に薄れていきます。

さらに、ワントップを11番に代えて13番にし、タイプを代えてきました。11番のように中央で待つタイプではなく、積極的にサイドに流れたり裏に走ったりする動き回るタイプの13番。

家泉の跳ね返し力が発揮しずらいフォワードにしてきたわけですね。

その効果が徐々に出始め、大分側も前線で起点を作れるようになってきて、1点を返すところまではいきましたが、時すでに遅し。

前半で作った「構造的な貯金」があまりにも大きく、コンサドーレが終盤に守備寄りの交代をする余裕を見せるなど、試合を優位に進めることが出来ました。

 

※僕の戦術分析の“土台”となった本です。

 

※この本の紹介記事はこちら。

 

MOM(マン・オブ・ザ・マッチ):高嶺 朋樹

今日のMOMは、あえて通ぶらずに、高嶺を推したいと思います。

昇格が消えても、闘志は消えない。

そんなキャプテンの気迫が、この日の2ゴールに繋がりました。ボランチでシーズン二桁得点という、驚異的な結果も、高嶺のプロフェッショナリズムの賜物でしょう。

累積警告で次節は出場停止ですが、逆に言えば、僕が現地観戦する予定の最終戦には、帰ってくるということ。その日を、今から楽しみにしたいと思います。

 

得点シーン

※ちょっと多いのでハイライト

 

サポーターとしての感想

3-1、快勝!

選手たちのモチベーション管理が一番難しい、このタイミング。そんな中で、これだけの内容が伴った勝利を見せてくれたことは、サポーターとして、素直に嬉しいです。

ホームで5試合ぶりの勝利。現地のサポーターも、満足して家路につけたのではないでしょうか。

もちろん、相手の出来が悪かった、という事実はあります。この一勝だけで、来シーズンへの展望が開けた、と手放しで喜ぶことはできません。

それでも、「プロとして、目の前の試合に勝ちに行く」

その当たり前のようで、当たり前ではない矜持を、選手たちが見せてくれた。それだけで、この日の勝利には、大きな価値があったように思います。

 

 

スポンサーリンク

 

まとめ

この日の勝利で、一つの事実が、我々の目の前で証明されました。

それは、このチームが、目標を失っても、プロとしての矜持を失ってはいなかったということです。

昇格も、降格もない。そんな虚無感の中で、選手たちはどんなモチベーションで走るのか。そんなサポーターの心配は、少なくともこの日は、杞憂に終わりました。

もちろん、この一勝だけで、来シーズンがどうなるかは分かりません。監督が誰になるのか、選手がどれだけ残るのか。不確定な要素は、あまりにも多い。

しかし、今は、それでいいのかもしれません。

ただ、目の前の勝利を喜び、選手たちのプロフェッショナルな姿勢に拍手を送る。そんな、サポーターとしての原点に立ち返らせてくれた、価値ある一勝でした。

試合のポイントまとめ

  • 昇格消滅後の難しい試合で、選手の「プロとしての矜持」が光り、3-1の快勝。
  • 大分の機能不全な5-4-1ブロックを、コンサドーレが完全に攻略。
  • 地上戦は荒野と高嶺、空中戦はバカヨコと家泉が制圧し、全ての局面で相手を上回った。
  • この一勝で全てが解決したわけではないが、サポーターの不安を払拭する、価値あるホーム5試合ぶりの勝利となった。

 

※前節の記事はこちら。

 

※noteではコンサドーレについて、もう少し踏み込んだ内容を執筆しています

 

(こちらのサイトでコンサドーレの全試合結果を確認いただけます)

コメント

タイトルとURLをコピーしました