こんにちは、もちょです。
今シーズンも、昨シーズン同様に北海道コンサドーレ札幌の試合をレビューしていきます!
今回レビューするのは…
J2リーグ第35節、北海道コンサドーレ札幌はアウェイでジェフユナイテッド市原・千葉と対戦。
2-5で、まさに完敗と言える敗戦を喫しました。
この敗戦で、数字の上でも、今シーズンの昇格の可能性は完全に消滅。
もちろん、元々厳しい状況であったことは誰もが理解していました。それでも、5失点という現実は、サポーターとして、やはり受け入れ難いものです。
しかし、崩壊した守備とは裏腹に、攻撃面ではここ最近で最も期待感がありました。
この敗戦は、来シーズンに繋がる、どんな光と影を我々に見せてくれたのか。
この記事では、スタッツだけでは見えてこないこの試合の本質を、戦術的な側面から紐解いていきます。
※前節の記事はこちら。
※岩政監督解任についての記事はこちら。
試合情報とスコアの振り返り
日時・会場
2025年11月2日(日)@フクダ電子アリーナ
試合結果
北海道コンサドーレ札幌 2 – 5 ジェフユナイテッド市原・千葉
スタメン
スタメンのポイント
柴田監督にしては、結構変えてきた印象。
- 荒野がトップでスタート
- 宮はまたお休み
- 菅野さんがGP
- その他、いつもの主力メンバーは変わりなし
基本フォーメーション
試合の流れ
試合は、立ち上がりの6分にいきなり動きます。クロスから、千葉の29番に見事なヘディングを叩き込まれ、早々に先制を許してしまいました。
しかし、失点後は徐々にコンサドーレがペースを掴みます。
前からプレスに来る千葉に対し、長いボールでひっくり返してチャンスを作る形が機能し始めると、21分、ロングボールに抜け出した近藤のクロスから、最後はスパチョークが押し込み同点。
荒野が中央で巧みに潰れる、ゼロトップが活きた見事なゴールでした。
前半は、その後もコンサドーレが主導権を握ったまま1-1で終了します。
しかし、悪夢は後半に待っていました。
50分、再びクロスから29番に決められ勝ち越しを許すと、55分には自陣でのビルドアップミスを奪われ、痛恨の3失点目。2度クリアできそうな場面で繋ごうとしたことが仇となり、このプレーが、この試合の大きなターニングポイントとなってしまいました。
さらに、60分の交代策も裏目に出てしまい、前線の動きが停滞。千葉のロングカウンターの前に防戦一方となり、78分、85分と立て続けに失点。
93分に青木が一矢報いるゴールを決めたものの、時すでに遅し。
2-5の完敗で、今シーズンの終焉を告げる笛が鳴り響きました。
※僕の戦術分析の“土台”となった本です。
戦術ポイント
希望の光となった「荒野のゼロトップ」
この大敗の中で、明確な希望があったとすれば、それは攻撃面です。特に、荒野をゼロトップに置いた前半のサッカーは、ここ最近の試合の中で最もゴール前での期待感を感じさせてくれるものでした。
荒野は、特定のポジションに留まらず、常に動き回ることで千葉の守備を混乱させました。
DFラインに張り付かず、タイミング良く中盤に降りてきては、持ち前の巧さで相手をいなしながらボールをキープ。荒野が中央で起点となることで、サイドの近藤を活かすという相乗効果も生まれていました。
また、味方がシュートやドリブルを仕掛ける際には、スペースを空ける動きや囮になる動きで周りを活かす。高さやフィジカルではなく、巧さでポストプレーをこなす姿は、攻撃に新しいスパイスを加えていました。
守備への切り替えの速さも含め、荒野の存在が前線の動きを活性化させていたことは、来季へ向けた大きな収穫と言えるでしょう。
※noteで荒野のゼロトップがアリか?という記事を書いています。
千葉の“中盤の王様”をフリーにした設計ミス
しかし、5失点という結果が、守備の深刻さを物語っています。これまでも指摘してきた「曖昧なプレス」は、ついに完全な崩壊を迎えました。
この日、コンサドーレの守備を最も苦しめたのが、千葉の20番。
コンサドーレが前からプレスに行った際に生まれる中盤のスペース(ボランチの裏)に、面白いようにポジションを取り、フリーでボールを引き出す起点となり続けました。
20番のこの動きによって、コンサドーレのボランチは千葉のボランチを捕まえきれず、簡単に前進を許す展開に。
後半からは、ボランチが思い切って前について行きましたが、そうすると当然20番がフリーになります。そこを「待ってました!」と言わんばかりに狙われて、どうすることも出来ず…
これは偶然ではなく、千葉がチームとして狙っていた形です。コンサドーレの曖昧なプレスを見抜き、その弱点を的確に突いてきました。
こうなると、CBが前に出て20番を潰さなければいけないんですが…
守備時に4-4-2に可変していたコンサドーレは、いつもの3バックとは違い、CBの人数が3→2に減っているので、捕まえに行くのが難しく、最後まで20番を自由にしてしまいました。
千葉の巧みな修正と、機能しなかった交代策
さらに、千葉は試合中に見事な修正を加えてきました。
前半、脅威となっていた近藤に対し、後半は明確な対策を施します。
左SB(67番)が内側に絞ってかなり高い位置を取ってきました。前半にも内側に絞ることは多少あったんですが、明確に67番が内側の“高い”位置に、14番が大外に張る形に修正。
これによって、高尾が67番を見るのか、14番を見るのか曖昧になり、近藤を守備に追いやることに成功。
それと同時に、ただでさえ20番がスペースを狙っている中盤に、選手がもう一人増え、数的優位を確保。
さらに、ボランチの選手(6番)も近藤のサイドに素早く寄せることを徹底されていたように見えました。
これに対し、コンサドーレは有効な手を打てません。
60分に、長谷川と木戸を交代させ、マリオと青木を投入。荒野をボランチにしました。この策は、完全に裏目に。前線の動きが激減し、ロングボールでの逃げ道も失ってしまいました。
さらに、木戸を下げたことでビルドアップの出口も失い、千葉のプレスの前に後手に回るという、最悪の悪循環に陥ってしまいました。
自陣で何度も同サイドに追い込まれて、奪われるシーンが頻発したのはこの交代のせいですね。
後半から千葉の前プレの圧が増したという要因もありますが…
※僕の戦術分析の“土台”となった本です。
※この本の紹介記事はこちら。
MOM(マン・オブ・ザ・マッチ):荒野 拓馬
5失点での完敗という結果の中、MOMを選ぶのは非常に難しいですが、僕は荒野を推したいと思います。
ゼロトップとして、攻撃に新しい可能性をもたらしたことは間違いありません。持ち前の運動量と巧さで前線を活性化させ、トランジションの局面でも大きく貢献。荒野がいなければ、前半のあの期待感は生まれなかったでしょう。
近藤も、相変わらずの突破力で何度も起点になってくれました。しかし、この日の攻撃に新たな“発見”をもたらしたという点で、荒野を選出します。
得点シーン
※ちょっと多いのでハイライトを
サポーターとしての感想
2-5、完敗。
今シーズンでの昇格は無くなりましたが、変わらず応援していきましょうね。
残り試合、全勝で終えて欲しいところですが、この守備ではそうも言ってられないところ。
監督が続投するのか、結局チームとしてどのような戦い方を目指すのか…?
などなど、来シーズンに向けて、色んなことが不透明な中で、頑張っている選手たちを応援していこうと思います。
まとめ
荒野のゼロトップという新しい武器を手に入れたかもしれない。しかし、その武器を活かすためには、あまりにも脆すぎる守備組織の再建が急務です。
昇格という目標を失った今、残りのシーズンは、来季に向けた“実験”の場としてもいいんじゃないでしょうか。
この日の「収穫」と「課題」に、監督とチームがどう向き合っていくのか。
その答えを探すことこそが、我々サポーターに残された、今シーズンの戦い方なのかもしれません。
試合のポイントまとめ
- 荒野のゼロトップが機能し、攻撃面ではここ最近で最も大きな期待感を感じさせた。
- しかし、守備面では「曖昧プレス」という構造的欠陥が悪化。千葉の20番を起点に崩され、5失点。
- 試合を壊したのは、自陣でのビルドアップミスから喫した3失点目。交代策も機能せず、後半に完全崩壊。
- 昇格を失った今、来季に向け、この日の「収穫」と「課題」にどう向き合うかが問われる。
※前節の記事はこちら。
※noteではコンサドーレについて、もう少し踏み込んだ内容を執筆しています
(こちらのサイトでコンサドーレの全試合結果を確認いただけます)
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